出社。
たった一日しか経っていないのに、とても懐かしく感じるその言葉。
2010年3月、有給休暇を消化中の俺がたしかにそこにいた。
あぁ、家でだらだらする。
この時間がこんなにも幸せだったとは。
しかし、幸せをかみしめている余裕はない。
次の仕事を見つけねば・・・!!
・・・なんてことは1ミリだって考えなかった。
しばらく、働くという行為から距離を置こうと。
ひとまず、置いておきましょう。
そして、忘れた頃に取りに行けばいいじゃない。
労働意欲を。
そう考えていた。
なお、取りに行くのを忘れると、NEETになるので要注意やで、工藤!!
そうだ、ハロワ行こう。
貯金はあった。
しかし、そんなに長く遊んで暮らせるほどの蓄えはない。
ではどうするか。
この日本には、雇用保険、俗にいう失業保険というウマウマ制度があるのだ。
ウマウマ制度、と書くと語弊があるが・・・
その当時は12ヶ月以上の奴隷経験、雇用保険被保険者であると、
失業保険の受給資格が与えられた。・・・と思う。
このへんの記憶も、またふわふわしておるので、 以下を参照されたし。
退職理由によって、給付開始の期間が変わるが、
俺はどうやら、90日間の給付が受けられるらしい。
なお、受給には、所定の回数以上、ハローワークに足を運び、
「就職へのやる気」を見せなければならない。
自分の都合で退職したばかり(まだ在職中だけど)の人間に、
就職へのやる気を見せろだなんて、
そんなこと、無理に決まってるじゃないか!!
でも、お金はほしい・・・。
チクショウ!!あしもとみやがって!!
言ってることがおかしいのは承知している。
ただ、本気でこんなこと考えた気がする。
渋々、最寄りのハローワークへ行くことを決めた。
ハローワークまで、自分の家から歩いて行くと、およそ40分。
バスを使うと20分。バス代金は往復で400円。
運動不足に資金不足だったので、迷わず歩いて行くと決めた。
てくてく、歩いていく。
春先だったこともあり、歩くのにはちょうどいい気温。
るんるん気分でハロワへ向かう。
・・・数行前に資金不足と書いたばかりなのに、
途中で2回ジュースを買ったので、既に片道分の
バス代を消費していた。
ジュース飲んでんじゃねーよハゲ、である。
そして、ついに辿り着いたハローワーク。
そこには瘴気が漂っていた。
そこにいる人たちの目には光がなかった。
こ、ここは本当に人間のくるところなのか?
噂には聞いていたが、まさか・・・
ハローどころか、グッバイこの世な空気。
この世の「淀み」そのものじゃないか!!
大変なところに踏み込んでしまった・・・。
完全なる無職まで あと半月