■前回までのあらすじ。
カッティングエッジな眼鏡型おもちゃに大興奮した2013年の夏。
良く調べもせずにとある「業者」でネット通販。
しかしその後、とんでもない「業者」だったことが分かり、スコヴィル焦った30歳のちょんハリ師匠がそこにいた。
■そして、発売予定の2013年12月を迎えた。
発注からおよそ半年。
ドキドキしていたちょんハリ師匠。
しかし、そのドキドキはあまりにも意外な展開の前に、無残にも散っていった。
その展開とはズバリ、発売が、2014年の春に延期されたのだ・・・。
発注した業者のネットでの評判云々の前に、発売元(であり開発元)が延期したんじゃ、しかたねーよな。
だが、この延期は始まりに過ぎなかった。
■年が明け、2014年の春が来た。
ワックワクで迎えた2014年。
またしても予想外の事件が。
発売がさらに延期されたのだ。
これには流石に、「え・・・?」とならざるを得なかった。
発注した「業者」ではなく、あろうことか販売元への信頼感が、徐々に薄れていく・・・。
結局、この発売延期はその後数度行われ、3回目の延期の時にはすでに「あぁ、いつものことだね。」と、すっかり慣れっこになっていたのである。
■2015年、時は来た。それだけだ。
たった数行前に、2014年になったばかりだというのに、気づけば2015年になっている。
注文してから、一年半が経過し、ついに販売元から「発売の目途が立った」という公式のアナウンスがなされた。
アナウンスによれば、「Q2発売」ということらしい。
Q2?あぁ、あのちょっとエッチな番組がきけたりするので有名な・・?
違う、そういうことではない。スマホ世代にこのネタは伝わっているのか?いや、伝わらなくていい。
Q2とはつまり、第2期クォーター→第2四半期に発売開始。
国外への発送もそのころに開始されるらしい。
直でオーダーした人は、5月のあたまくらいには手元に商品が来ることになるだろう。
僕はその「業者」を通したから、ネットの評判通りでなければ直接手元に届くのはそれよりも遅い、5月半ばくらいになるだろうと予想していた。
そう、評判通りでなければ・・・。
■ゴールデンウィーク、手に入れたという人のブログを目にする。
4月の半ばに、メーカーから発送を開始したという公式発表があった。
そして、5月の大型連休、日本国内でも「届いたよ」と記事をポストしているブログをみかけるようになった。
そのころ、僕の手元には・・・まだ来ていなかった。
「業者」からの発送通知はどうだったのか?
なかった。
しかし「発送通知がない」ことは、実は予約時に同意の上だったのでこらえた。
もちろん、本当は「発送開始しました」くらいのメールよこせやコラ!といいたかった。
■大型連休が終わり・・・
いまだ「業者」のホームページには発送開始の通知すら出ていなかった。
そこで、販売元(以下メーカー)へ「ある『業者』に代理で注文してもらったんだけれど、予約はあったかな?」というメールを出した。
メーカーはカナダにある。
当然、英語で問い合わせをしなければならない。
英語が抜群にできない僕は、Google先生の力を借りながらなんとか英語でメールを作って問い合わせをした。
すると、時差はあったが、メーカーからはすぐに回答が送られてきた。
カスタマー・サポートのSeth曰く、
「まずは問い合わせありがとう。発注履歴を見たけど、そんな会社からはオーダーがなかったよ?発注番号はわかるかい?」
ということだった。
・・・発注番号・・・。代理購入を依頼したので、おおもとの発注番号は手元にない。
あるとすれば、その「業者」だ。
「業者」へ「メーカー(販売元)がついに出荷開始したようですが、私のところに届くのはいつ頃でしょう?もうあなたがたの手元にはあるのでしょうか?あと、発注番号教えろください」
というような内容のメールを送った。
1日たち・・・返信はなかった。
やはり、ここまでか・・・。
正直なところ、ここで連絡が取れなかったら、あきらめていたかもしれない。
だが、奇跡はおきた。なんと、「業者」からの返信があったのだ。
しかし、喜びもつかの間、「業者」からのメールには次のようなことが書いてあった。
「当社は並行輸入なので発注番号はありません」
なん・・・だと・・・?並行輸入には発注番号がない?書いてあることがよくわからなかった。
並行輸入する、ということは、どっかでまとめてオーダーしているはずじゃないのか?
■2回裏、ちょんハリ師匠の打線に火がつく。
僕が問い合わせをし始めたのと同じころ、「業者」の製品ページに「出荷開始しました」と表記されるようになった。
・・ほほぅ。
そこで、ここぞとばかりにメールで送りつける。
「具体的な出荷はいらないので、御社で抱えるオーダー分はいつまでに発送終了されますか?」
質問について「業者」は・・・
「順次発送していますが、メーカーの出荷計画は不明のため、いつまでに発送できるかはわからない」
というありがたいボールを返してくれた。
それに対して、僕は・・・笑みをたたえていた・・・。
■実は事前に情報を集めていた。
業者がネットの評判通りでないことを祈りつつも、万一のときのために、メーカーに直接英語で問い合わせをし、実に10回以上のやり取りをしていた。
その結果、ほぼ「業者」のクロが確定。
やっぱりというか、やつら、僕がした2013年の予約を、メーカーに通してなかった。
振り込んだ金を、持ち逃げする気満々だったのだろう。
ゆるせん・・・つーか、許さん。
このとき、君が泣くまで殴るのをやめない、というジョナサン・ジョースターのありがたい言葉を胸に、心に誓っていた。
業者が泣いても殴るのをやめない、と。
カナダのメーカー本社とやり取り回数を重ね、情報をじわじわと、着実に集めていった。
そうそう、副次的なものになるが、このやり取りによって、「英語でメールを打つこと」について心理的なハードルが下がったことは、儲けものだったと言っていいだろう。
ふふふ、転んでもつまづいても、ただでは起きない、これがなにわの「あきんど魂」やで!!*1
さて、僕とメーカーとのやり取りの中で一番重要だったのは、メーカーから「いつまでに初回発注分がカナダから出荷されるか」、ということだ。
メーカーから得られた回答は、「4月の半ばに出荷を開始し、5月の大型連休過ぎには、初期ロットの発送はほぼ終わる」ということ。
僕が発注したのは2013年7月、恐怖の大王が・・・じゃなくて、当然のことながら初期ロット扱い間違いなしの発注だ。
カスタマーサポートや公式アナウンスの情報から推測しなくても、普通に考えれば、カナダからの発送は終わっているはずだった。
輸送手段が、例え船便であったとしても、1か月くらいで届くよね?ね?
と、徐々に「業者」に対して、「まさか頼んでないとは言わせないよ?わかってるよね?」感を醸し出しながら、またメールを送るのだった。
次回ネットショッピング詐欺編 最終回:「小包 フロム 奈良経由・・・」
今回で終わらせるつもりが、長くなりそうなので、あと一回、延長戦、お願いします。
*1:出身は山口です。