今、横浜で妹と、犬と、ばーちゃんの3人と1匹で暮らしている。
ばーちゃんは、うちがまだ4人と一匹だったころ、今から3年以上前から一緒に暮らしている。
そのばーちゃん、去年の9月に認知症の判定を受けた。
横浜市大病院に、物忘れ外来があって、そこにかかって診断されたんだけども。*1
■坂道を転がるように、認知症の症状が。
ちょうど10月くらいだったか、認知症についての番組をテレビでやっていた。
たまたまリアルタイムで見ていたんだけれど、妹がその番組を録画していて、二人してみた。
まぁ、みたとは言っても、一回見た内容だったから、半分くらいは聞き流していたんだけれども。
ただ、その中で、認知症の症例がいくつか紹介されていたのを覚えている。
いや、今思い返してみて、確かにそうだな、と、思い当たるフシがいっぱいある。
例えば、家の中を探し回る行動。
これは、認知症の代表的な症状?行動の一つらしい。
何を探して回るのか?これが、「本人にもわかっていない」んだ。
おばあちゃん、何を探してるの?
と聞いても、「わからん、わからん。」と答えるばかり。
それでも何かを探す手は止まらない。
わからないものはそこにはないよ、と伝えても、探す手は止まらない。
その「何か」が今必要なの?と聞いても「わからん」と答える。
「何か」がないから落ち着かない。
落ち着こうとするために、探し回るんだとか。
↑一緒に暮らしている一匹。
■老人が、まるで子供のように。
今思えば、探し回っているころはまだよかったのかもしれない。
自分で立って歩いていたから。
ちなみにこれ、今から2か月くらい前の出来事だよ。
今、ばーちゃんは、ほとんど寝たきりだ。
自分で起きることもできるんだが、最近は寒いからといって、なかなか布団から出ようとしない。
老人だから、筋肉も衰えてしまい、文字通り、寒さが骨身にこたえるらしい。
運動量はさらに減り、ますます衰えていくばかり。
今、妹が祖母の介護を一手に引き受けている。
幸か不幸か?妹は今、フリーター、いや、無職だ。
僕が仕事に出ている間、ことあるごとに、寝床から妹の名前を呼ぶそうだ。
そして、妹が少しでも出かけようとすると、「寂しい」と言って手を離さないらしい。
確かに、認知症なんて、自分でもワケのわからない病気だと告げられ、不安な気持ちもわかる。
以前、探し回っていた手を無理やり止めたとき、「困った病気になった・・・困った」と、言っていたな、ばーちゃん。
そういえば、一度あったな、自分の時にも。
■直接かかわらない人間から見ても、めんどくせーの、認知症
仕事柄、ばーさんが寝てから家に帰り、ばーさんが起きる前に家を出ることが多い。
2週間ばかりそんなことが続いたある日。
たまたま起きていたばーちゃんに、「行ってきます」と言うと、「いかんでくれ~、寂しい」と言って、手を離さない。
まぁ、「仕事だから無理ですわ。早く帰る努力はしますけれども。」と言って、しがみつくばーさんを引っぺがして、家を出た。
そのとき、僕がどう思ったか。
「メンドクセ・・・」
ま、実のばーちゃんでこう思うわけですよ。しかも、普段仕事で一緒にいない僕が、たった一度の経験で、これですわ・・・。
四六時中一緒にいる妹は、どういう気持ちなんだろう?なんてね、考えたりもするわけです。
■デイサービスとか使えばいいじゃん?
そうだね、デイサービスね。
じーさん、ばーさんなら誰でも使えるもんだと思ってました、井の中のブタ野郎が当ブログのAuthorでございます。
よく聞くジャン、デイサービス。
でも、利用するには、介護認定や要支援認定を受けなければならないんだって。
30過ぎて知りませんでした、ごめんなさい。
介護認定、要支援認定にもレベルがあって・・・まぁ、ここらの細かい話はこのブログで語れるレベルのもんじゃないので、とりあえず省きます。
掃除の行き届いていない我が家にもケアマネージャーさんを招き、普段の状況などを聞いてもらいましたわ。
そして、要介護1認定を受けました。
え、デイサービスはどうしてるのかって、実はとある事情で受けてません。
理由は後述。
■3か月で認知症が劇的に悪化。
「劇的に」の次にはたいてい「改善」、とか「よくなった!」というベクトル上向きの言葉が続いてほしいもんだけど、うちのばーちゃんにおいてはそれがなかったんだな。
残念。
3か月前までは、自分で立って、歩いて喋って、笑って、っていう人間らしいばーちゃんだった。
それが、今では運動しないから、ただでさえ老いた体はさらに衰え、メマリーという薬の副作用もあって、口を開けば「えらい・・・えらい」。
息を吐き出すのと同じリズムで「えらい・・・えらい。」
あ、えらい、ってのは、西のほうの方言で、ツライとか、疲れたって意味ね。
一日中そんな感じ。
見てるだけでつらい。
なお、年末に妹から言われてうわぁ・・・と思った言葉があるので、書いておこう。
「今月だけで、4回おばあちゃんのお尻に指をつっこんだよ。」
うわぁ・・・。
運動をしなくなったばーちゃん。年をとって、ただでさえ活動の鈍い腸の動きが、輪をかけて鈍くなる。
強くいきむこともできない。
最終的に、妹が外科手術用手袋をつけて、「かき出して」やらなくてはいけない状態に。
繰り返すが、実の祖母でも、けつの穴に指を突っ込むのはノーサンキューこうむりたいものだ。
妹よ・・・。
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■妹がいつのまにかタフに。
妹曰く、今のばーちゃんは、人と思って付き合うと辛いので、「言葉のわかる動物」という目で見ることがあるという。
「血のつながった親族をそんな目で見るのは、人としてどうだろうか?」
という人もいるかもしれない。
その人が、自分一人で祖母や祖父(父、母じゃないよ)の面倒をみたのだとしたら、僕はもろ手をあげて、その場にひれ伏すよ。
あなたみたいに強くはできませんでした、と。
でも、感情だけでそういう言葉が出てくるなら、3日でいいから、今の妹の立場と変わってみてほしい。
それでも、同じセリフが言えるだろうか?
かわいそうだな、と思う気持ちはあれど、ときには感情を押し殺して付き合わなければ、やっていけないんだそうだ。
ばーちゃん諸共、自分がダメになる、とも言っていた。
そうだろうな・・・と、兄は思った。
■急展開、ばーちゃん施設に入ることに。
昨年末、急だが、ばーちゃんが施設に入ることが決まった。
これが、デイサービスを受けていない理由。
今週日曜には、横浜で過ごす人がまた一人減り、二人と1匹になってしまう。
「そんなに人が減るのが嫌なら結婚したらええやん。」
それは他人事だから言えるのだ。
できたらしてるし、できねーからいろいろ悩むんだよ、バーカ、バーカ!!*2
正直、施設に入ることが決まったとき、ホッとしてしまった。
ぶっちゃけ、両親がいない今、ばーちゃんの面倒を妹が一手に引き受けるのは間違っていると思う。
頼れるところがあるなら、そこに頼ったほうがいい。
妹も若くはないが、それでも最後の20代。
老人の介護で人生がつぶれるのは、あんまりではないか。
これは、妹ラブだから、というわけではなく、これまで好き勝手やってきた自分だからこそ、逆に湧き起こる感情なんだ。
ばーちゃんが施設に入る、当人の気持ちはよくわからない。
でも、ばーちゃんも、犬と留守番より、いつでも人がいる場所のところのほうがいいと思うんだよね。
今の生活はばーちゃんがコミュニケーションとれる人間が、妹と僕しかいないんだもの。
ぐだぐだ書いてきてまとまらないけれど、ひとまず、この状態で記事を投下しておく。
明日も早いから。
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