自分が通っていた職業訓練校、WEBデザイナー科で、一番役に立った授業のことを書こう。
さぁ、一体どれが役に立ったと思う?
一番役に立った授業、それは・・・
ズバリ、__「就職支援」の授業。
詳しい講義名は忘れたけれども、ともかく、履歴書の書き方や、志望動機、面接ではこういったことを聞かれる、ということまでを教えてくれる。
しかも、民間の専門学校なので、実際の就職状況、前年度実施時の状況なども教えてくれるのだ。
ハローワークや転職支援サービスに行くよりも、はるかにお手軽に色々と教えてもらった。
WEBの技術よりも、「どうやったら採用されるのか」を教えてもらえたのが一番良かった。
え?他の授業は役に立たなかったのか、って?
職業訓練校行ったからといって、何でも出来ると思うな。
正直に言うと、今の仕事にはあまり役に立っていない。
もちろん、HTML、CSSと基本的なことは、それなりに役に立っているには違いないのだが・・・
訓練校でやってる内容だけで仕事が出来るようにはなりませんよ。
そういうことなの。
三ヶ月の促成栽培、できるのは植物くらいなもんですよ。
ただテキストをこなすだけでは、無理です。
まぁね、誰かさんのせいで、ただでさえ遅れている授業、それも肝心のPHPやらデータベースの勉強が5回くらいしか出来なかった、というのもあるけどね。
扇風機独占事件 勃発
2010年8月。
外はうだるような暑さ。日中は10秒たりとも部屋の外へは出たくなかった。
平塚某所の専門学校。「5階建てビルの5階教室」に俺たち訓練生はいた。
容赦なく照りつける太陽。これが4階だったらまだしも、「5階建てビルの5階教室」、自分たちの頭上、天井の向こう側はすなわち屋上。
部屋の温度は?「ガンガンズンズングイグイ上昇」している。
冷房?エアコンは一応付いているのだが、ききが悪い。
先生も暑い中講義をしてくれている。
だが、暑さのせいで残念ながら、7割り程度しか耳に入ってこなかった。
このままでは、いかん・・・熱中症になる・・・
あまりにも暑く、授業に集中できないということで、専門学校から扇風機2台が投入された。
教室の前と後ろに1台ずつ。
後ろに一台?
俺を含め、一番後ろに座っている訓練生は喜んだ。
だって、一番風がくるじゃない。
それまで、淀んでいた空気は、扇風機の登場によって、いくらか緩和された。
教室の真ん中辺りに座席があった人は、そこまで効果がなかったかもしれないが、それでも風が流れることで、空気が循環し、7割しか入ってこなかった授業が、8割くらいにはなった。
(前のひとは相変わらず、: 地獄のミサワの「女に惚れさす名言集」 を見ていた。・・・欲求不満だったのか?)
後ろに座っていた俺達は、その扇風機が生み出す湘南の風によってもたらされる涼を享受した。
爆誕!扇風機じいさん!
ようやく落ち着いたと思った矢先、あの男がつぶやく。
「あぁー、暑いなー、暑いな―・・・。」
じいさん、どうした?脳みその水分が干上がりそうなのか?
「あぁー、暑いなー、暑いな―・・・。」
じいさん、うるさいよ。
「あぁー、暑いなー、暑・・・暑いと思いません?」
急にこっちを向いて、話ふってきたーーー!!!!
俺の右隣に座っていたN氏も困り顔で、「え、えぇ・・・。」と返す。
そして、事件は起こった。
キィーッ・・
じいさん、イスを後ろへ引き、やおら立ち上がると・・・
カチッ!
ラン・・・ランララランランラン・・・ラン・・ランラララン♪
俺の周りに流れていた風が止んだ。
だれか 私を外へ連れ出しておくれ
風が止むなんて初めて
―風の谷のナウシカより
な、何が起こったんだ?
じいさんの方を向く。
じいさんの、絶滅寸前の毛髪が、たこやきに振りかけられたかつお節のごとく
風にそよいで踊っている
どうしたことだ?俺の周りの風は止んだままだ・・・。
―――ハッ!!
俺は扇風機を見る。
すると・・・
な ん と い う こ と で し ょ う !!
匠の手によって、スイング機能が、固定にされているではありませんか!!!!
風が来なくなったこと、そしてこれまでの授業妨害・・・
教室内の・・・
大気が怒りに満ちておる
ジジイ!!やりやがった!!
暑さに耐えかねて扇風機の風を独占しやがった!!
「その者、熱気に耐えかね風を独占し、荒野のかつお節を踊らすべし」
共有財産である扇風機を独占し、利己的行動に走ったじいさんに教室中の訓練生から怒りのオーラが・・・!!
その日を境にに、決していいとはいえないじいさんの評価は更に落ちた。
そして、親しい訓練生同士の間で、「扇風機じいさん」のあだ名が生まれた。
それ以降、じいさんに対する風あたりが強くなったのはいうまでもない。
次回:扇風機じいさんが進化!クーラージジイに!