前回のお話。
落ち武者が髪をかきあげながら講堂で司会していた。
↑一部で人気があったので調子に乗って再掲載。
職業訓練校の説明会に行って、軽い気持ちでWEBプログラミングコースを受けようと決めた。
心機一転、わいは、訓練校でウマウマ一から勉強してやるんや!!
ワイは猿や、プログラマー猿や!!
・・・上の猿のくだりは、ただ書きたかっただけだよ。意味は無い。
行きたい人がすべて行けるわけではないのが職業訓練。
職業訓練って、希望したら全員行けるもんだ、と思ってはいませんか?
はい、かくいう私もその一人でした。
しかし、現実は違うのです。
なんと、職業訓練校に行くのにも面接があったのです。
えっ?えっ?説明会でそんなこと言ってたっけ?教えて神様!助けて落ち武者!!
そういえば、説明会で渡された冊子に、そんなことが書いてあったような気もする。
よく考えたら、説明会行く前にハロワでもらった冊子にも書いてあったわ。
なんで職業訓練で面接するのか?
いいじゃん、希望したら行かせてくれよー、ケチケチしないで行かせてくれよ―。
と、思うかもしれないが、そんなことしたら大変だ。
失業保険目当てで職業訓練に来る奴が増えるだろ!!
・・・と、いう理由かどうかはわからないけれども、職業訓練受けるのに面接をする、それらしい理由を考えてみた。
*1. 訓練を受ける学校は、公的な機関とは限らない。
自分がWEBデザインコースを受けようと思って決めた訓練校。
そこは民間の・・というか、WEBの専門学校だった。
専門学校、ということは、教室にも限りがあるわけで、希望者を無制限に受け入れることは不可能。
キャパが決まっているのだ。
*2. 国(県?)から委託されるので、訓練を受けた後の就職率が大事。
受講者が職業訓練にかかる費用を負担することはない(教科書代とか、ちょっとした費用負担はあることも。)
じゃあ、誰がお金をはらうの?
↑誰だコイツ。さすが、美術2。セリフがないと誰かわからない。
詳しい金の出処はよく分かっていないが・・・民間の専門学校が、国(県?)から職業訓練を委託され、お金をもらって教育を施す。
国や県のお金、ってことは、当然公的なお金が動くわけだから、有効に使われたかチェックが入るはず。
有効に使われたかどうかを、どのようにして判断するか。
それは、ズバリ就職率だろう。
○○という学校では○人の訓練生を受け入れて、訓練終了後、○人が職に就くことができました。
就職率の高い講座なら、
→ この学校の講座は効果あり! → じゃ、来年度も頼むよ。 → 次年度、またお金がもらえる。
学校にしたら、大々的な宣伝をして生徒を募集しなくていいし、お金は入るし、悪い話じゃないだろう。
だからこそ、訓練を受けた人には職についてほしいのだ。
学校、教育する、お金もらえる。
訓練生、少ない負担で技術を身につける、職に就く。
いい制度、素晴らしい制度、ウホウホ。
おっと、素晴らしすぎてゴリラになってしまったウホ。
真面目な人間が訓練生として来れば、このサイクルは継続できる。
でも、遊び半分で訓練を受ける奴は、きっと就職なんかしないのさ。
そしたら、就職率おちるじゃん、だめじゃん。
だから、面接してふるいにかけて、就職できそうな人間だけをとるのだよ、わかるかい、ワトソン君?
2010年5月下旬。
俺は、平塚にいた。
スーツで。
何をしに来たのかって?
おいおい、ここまで書いておいて、サラリーマンのコスプレだと思うのかい、君は?
当然、職業訓練の面接に来たのさ。
職業訓練校 面接「受かる」ポイント:なぜスーツ?
そりゃ、印象良くするために決まってるだろう。
ハロワでもらった、「訓練校説明冊子」には、「スーツで来い」なんて書いてない。
私服での面接でOKのはずだ。
しかし、この段階で、すでに競争は決まっているのだ!!
もう、朝起きた段階から、既に面接は始まっているんだ!!
面接は会議室でやるんじゃない!! 面接会場で、もっと言うと、訓練校の5階の教室で行われるんだ!!
ウマウマレースは既にスタートしているんだぜ?
「5階着。」
ハロワの冊子には、A4サイズの「志望動機」を記入する用紙がついていた。
その紙に、
・なぜこの講座を選んだか。
・訓練終了後、どういう職に就きたいか
などを書く欄があった・・・と思う。
詳細については、さすがに曖昧だが、その用紙に作文したのは確かだ。
それはそれは、びっしり書いたさ。
前職は、メディア運営(のまね事のようななこと)をしてました!!
この先、WEBの技術を身につけたいです!!
そして、長いこと働きたいです!!
みたいなことを。
面接ではボロが出ないように、この内容を詳細に暗記したさ。
なーに、自分が書いたことだから、覚えるのも楽勝だった。
肝心の面接も、うちの犬を相手にトレーニングしたからな、バッチリだった。
そらもう、会心の出来だった。
そして、面接終了。
帰り際に、一緒に面接を受けた男性に声をかけられる。
お疲れ様でした、と。
駅に帰り着くまでに、なぜか意気投合し、お茶を飲むことに。
前職は半導体関係のお仕事。Sさん。
男性の名前はSさん。
早期退職か、なんかわすれたけど、とにかく仕事に就きたい、と言っていた。
あ、ちなみにSさん、見た感じ50過ぎてた。
60手前と言ったほうがよいくらい。
控えめな男性だった。
落ち着いた口調から、人の良さが伝わってきた。
Sさんと、駅の喫茶店に入り、ココロに浮かぶよしなしごとを交わし、30分ほどでお茶会終了。
Sさん「今日、面接受けた時、周りが若い人ばかりで焦りました。どうにか、一緒に訓練受けられるといいですね。」^^
俺「ですねー。」^^
数日後
俺のもとに、A4サイズの封筒が届く。
中を見ると・・・
「YOU、職業訓練きちゃいなYO!!」
い、
い、
いくいくーーー!!!!
見事、面接に合格し、職業訓練校へ行くことが決定したのであった。
―Sさんも受かったかな?受かっているといいな。
そう願っていた。
―2010年7月。
平塚は七夕で賑わっていた。
これから三ヶ月通う、訓練校に急ぐ。
教室へ入る。
30人ほどいただろうか。
Sさんは・・・その場にいなかった。
ポイント:「就職できそうな人」をアピールしろ!!
おっとー、まさかのここで、職業訓練校面接の「受かる」ポイント来たよ。
Sさんは、確かに落ち着いたオトナの人だった。
だが落ち着いたというよりも、どこか自信なさげなオーラも同時に感じられた。
その、自身なさげなところが、良い印象をもたれなかったのではないか。
「いやいや、年齢的なものでしょうよ。だって、Sさん60手前でしょ?」 ^q^
そういう人もいるかも知れないし、確かに、自分も、そう思った。
そのときは。
だが、教室の、30人の中に、いたのだ。
明らかに、Sさんよりも年齢が上であろう男性が。
この男性が後に「扇風機おじいちゃん」と呼ばれる、Yさんである。
な、なんだ、この、根拠の無い自身に満ちた人は・・・!!!
詳しくは別の記事で書くが、このYさん、過去に少しプログラミングをかじったことがあるようだ。
だからなのか、少しギラギラしている。(ハゲ散らかした頭の皮脂のせい?)
落ちてしまったSさんには、プログラミング経験がなかったかもしれない。
しかし、仕事に対しての熱意をアピールすれば、受かったのかもしれない。
だって、いるんだもの、目の前に、なんだかわからないけどギラギラしたおじいちゃんが!!
次回:暑がりおじいちゃん、煙たがられる。