まず最初に書いておこう、この記事のソースはネットの情報がほとんどだということを。
だから、「ソースはネット」であり、そこから判断して思ったことを書いていることをご理解いただきたい。
まぁ、僕のブログなんか、たいがいそんなもんだ。
■秋山鉄工さん、メッタクソに叩かれている。
今、山形県にある老舗の製造業「秋山鉄工」が話題になっている。
採用ページ見ると、確かに、なんじゃこりゃー!だね。
Yahoo!ニュース - 「入社後1年間は授業料をいただきます」は釣り? それともガチ!? 採用ページが話題の秋山鉄工、社長に真意を聞いてみた (ねとらぼ)
うん、でもネットの記事を見て見る限り、本音3分の2、冗談3分の1な印象だ。
入社1年めは授業料をもらいます・・・実際はとらないそうだけど、これは、「授業料をもらっていいくらいに、しっかりした人材を育てる」という意味にも取れる。
記事を読み進めて、あるいはネットで色々情報を集めてみると、独自の経営哲学、経営理念があることが分かった。
この考え方は、ある人からしたら、古臭い、泥臭い、今の時代にはそぐわないものと映るかもしれない。
しかし、モノを作るのはヒトなんだから、まずはしっかりとしたヒト作りから始めよう!というのは正しい考えだと思う。
■ 君にできないことを僕がする、だからお金下さい。
すごく単純だ。
これが金を稼ぐ、ということだ。
秋山鉄工さんの見積もりのページを見て、作り手が言えない、言いにくいことが書いてある。
1.見積もりはタダだと思っている。
実はものすごい手間のかかることなのです。
そう、そうなんだよ。
お見積り無料!がある種デフォなWEB屋の僕、目からウロコ。
秋山鉄工さんは、実業*1の会社だから、材料費や、人件費、その他もろもろ計算してると思うんだ。
この計算には専門的な知識、経験を要するだろうし、なによりこの計算をするのにも、「労働時間」は発生するわけです!
また、知識や経験はタダでは身につかないことも多いんですよ。
そして、僕がかなり共感したのが、
「3.自分から希望価格を言わない。
そのくせ見積もりを出すと「高い」と言う。」
ほんとそう。
高いか安いか、なぜあなたに分かるのでしょうか?
「ちょちょっとやってくださいよ。」
出来るならやってますよ。
「それくらい簡単にできますよね?」
出来るならやってますよ。
というか、簡単だと思うなら、「自分でやればぁ。」ってなるんだよ。
■モノづくりに、早い、安い、うまい、はない。
ぶっちゃけ、いいものを作ろうとするなら、コストがかかるんだよ。
作る側は、「作ること」のプロなんですよね。
依頼する側もその業界のことに精通しているなら、価格高すぎないですか?って会話も成立するけども。
そういうケースってのは稀で。
依頼に対して見積もりを出すときには、専門化としての見解が含まれている。
専門家の見地からはじき出した、ちゃんとした価格なんです。*2
だから、希望価格があるなら言うべきだよ。
それが、秋山鉄工さんのような「真空モノ」に強く、ほぼ専業としているような、スペシャルな会社ならね。
その価格で、出来るかできないか、どこまでなら出来るかとか、ちゃんと言ってくれるはずさ。
それを値切るってのは、「作ること」の価値を低く見ていることにもつながると思うんですよ。
あと、作る側からすると、「おたくは、何かを為そうとするときに、100%のコストをかけられないんですか?その程度の意気込みですか?本気じゃないんですか?」と思わざるを得ない。
だから、本来は値切るべきではないんだよ。ちゃんとしたものを作りたい(作ってもらいたい)ならね。
僕はWEB屋なので、WEB開発に則したことを書くと・・・
「商用サービスで、○○なサイトを作りたい!」
って、意気込むんだけど、用意したサーバーはさくらサーバーの一番安いレンタルサーバ・・・*3
月額で500円もかけたくないんかい!!*4
一番ひどいのは、やりたいことが分かってない、仕様が固まらない。
ハッキリ言って「舐めてるのか?」としか思えない。
そういうお客に限って、「え、それ高くないですか?○○円くらいになりませんか?」「いつまでにお願いします」って言うのさ。
高くないよ!こっちだってビジネスだ!
利益を出さない商売は、ただの「商売ごっこ」だ!*5
「ビジネスだ!」と書いたけど、もちろんお客さんと今後の関係をどうしていくか、経営的判断から値切ることもある。
それも、経営者の考え方としては正しい。
ただ、作り手としては、俺の時間、俺の技術が安く買い叩かれた、という感情がないわけでもない。
あと、技術者は魔法使いじゃない。言えば何でもすぐに出来ると思っているなら、それは間違いだ。
そして、金を払う「依頼者のほうがエライ」みたいな考えを持っているなら、今すぐ改めろ。
だって、そうだろう?「自分では何もできないくせに」なんでそんなに偉そうになれるのさ?
■秋山鉄工がなぜ叩かれているかよくわからない。
採用情報のページだけ開いたら、まぁ、書いてある文章の語調もあるけど、ずいぶん上から目線のガチブラック企業に見える。
でも、他のページも見てみると、全く違う。
そこには、「作り手として」真っ当な考え方が見て取れる。
今、秋山鉄工さんを叩いている人は、今からでも遅くないから、他のページもちゃんと見てほしい。
従業員の定着率だって高いし、定年退職以外の離職はほとんどないんだとか。
それだけ、会社にいられる理由があるんだよ、きっと。
そして、秋山鉄工さんが、どういう思いで、草刈りや、子どもたちのための事業を行っているか、読みましたか?
それでもなお、「ブラック企業だー」とか「時代錯誤だー!」とか、理由もなく叩き続けるというのなら、「君はモノを見る目がないんだろう。」
さて、最後にもう一回書くぞ、この記事は、ネットの情報を漁ってたどり着いた、ちょんハリ師匠独自の見解です、と。