まるでちょんまげハリウッド

ちょんはり師匠の生きざまを切り売りしています。

イチオシは転職体験記!それ以外は、いい歳したオッサンの反省です。反省はしますが、後悔はしていません。たぶん。

28歳、文系の俺が未経験からWEBプログラマーに転職した話。 「2.日の出前」

リーマン・ショックから、はや9か月。
2009年の6月になっていた。

あれから、社内の人員整理はすすめられ、 事務所の中も、地方営業所も、どこだろうが関係ない。
根こそぎリストラされていた。

俺はというと・・・。

まだ、ぽちぽちやっていた。

親父が死んで1年半が経とうとしていた。

ぽちぽちやりながら、俺は思っていた。

このままでいいのだろうか。

ぽちぽちやっていれば、いいじゃないか。
コネ入社だし。
首の皮一枚つながってりゃいいじゃないか。

イージーに、イージーに、なるべく考えないようにしていたはずなのに、
お世話になった人から切られていく。
申し訳なさ過ぎて、いつの間にか、自分の心はすり減っていた。

それと同時に、いつ切られたって、おかしくないんじゃないか。
いくらコネ入社とはいえ、積極的に赤を出していたんだ。
さすがに、まともではない経営者だって気付くころだ。

そう思いながらも、気づけば11月になっていた。

ここに至るまでに、仕事のパートナーが一人、二人といなくなっている。
それは、退職だったり、配置転換だったり、様々なんだけど、
気付けば「同僚」と呼べる人間は、一人もおらず、
愛想のないバイト君と二人でぽちぽち働くようになっていた。

一人ではないものの、バイト君はバイト君。

10時に来て、17時には帰る。

たまに昼飯をおごることもあったが、「会社にいていいんだろうか、という話はできなかった。
(ちなみに、バイト君はいっこ上なので、正確にはバイトさん)

そして12月のある日、またしても事件が起こる。

上司が車を買った。

それも、中古で10,000千円を超える、高級車だ。
(鈴木雅之・・・)

上司が車を買うくらい、どうってことないじゃないか?

と、思うかもしれない。

だがこの上司は、経営者一族だ。
リストラの陣頭指揮をとっていた。

あれだけリストラを進めていたんだ。 経営状態をよくしようとしていたのでは?

そのお金はどこから出てきたんだろう?
まさか、会社から・・・?
いや、でも、まさか、だが、もしかして・・・
一度土から出た、疑惑の目は、日の光もなしに、ぐんぐん育つ。

俺は、思わず聞いた。

「なんでこの時期に買ったのか?」

曰く、

「我慢できなかった。」

唖然とした。

確かに、個人の金(?)で車を買おうが何しようが、それは勝手だ。
確かに、人を切るということは、精神をすり減らす仕事かもしれない。

ん?人を切る?ちょっとまて、

リストラ、実際にやってたのは、上司じゃないだろ。

「すみません」「申し訳ない」と、(表面上は)言葉を重ねていた(かもしれない)のは、
上司が雇った別の部署の人間じゃないか。

あいつ(上司)、直接手を下してねぇ、手汚してねぇんじゃねぇか・・・?

そう思った瞬間、疑惑の花が開花した。
この上司を、そして会社を信用することができなくなった。

俺は――――

もう、この会社やめよう。

そう思った。 2009年12月になっていた。

退職まであと 3か月